Q. 健康保険にはいつまで加入できますか?

A. 健康保険の被保険者資格を失うのは次のいずれかの場合です。
  1. 死亡したとき
  2. その事業所に使用されなくなったとき(転勤や退職、事業所の廃止など)
  3. 臨時雇いなど、法律で定める「被保険者から除外される人」に該当したとき
 厚生年金保険は高齢となって働き続けたとしても、満70歳になれば被保険者資格を失いますが、健康保険の場合は年齢にかかわらず適用事業所で働き続けている限り被保険者資格を有します。(老人保健で医療を受けられるようになっても被保険者資格は失いません。)
 また、病気などによる長期休職、産休や育児休業、介護休業の間であっても、雇用関係が続いていれば被保険者資格は継続します。

























Q. 退職後も健康保険に加入したい。

A.  退職などにより健康保険の被保険者資格を失った場合、再就職しなければ、通常は居住している市区町村が運営する国民健康保険に加入します。しかし、一定の条件を満たしていれば、退職後も引き続き2年間、健康保険の被保険者になることができます。これにより健康保険に加入している被保険者を「任意継続被保険者」といいます。
 任意継続被保険者になるには以下の要件をいずれも満たしている必要があります。
  1. 資格喪失日の前日までに、継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
  2. 資格喪失日から20日以内に任意継続被保険者になるための届出をすること
    (届出先は、政府管掌健康保険の場合は住所地を管轄する社会保険事務所、組合管掌健康保険の場合は加入していた健康保険組合になります)
手続きには以下のものが必要です。
  • 認め印
  • 初回の健康保険料
    (退職時の標準報酬月額、被保険者全体の平均標準報酬月額のどちらか低い方の本人及び事業主負担の合算額)
 また、任意継続被保険者になることができる期間は2年間ですが、次のいずれかに該当した場合は2年に満たなくてもそれぞれ<>内の日をもって任意継続被保険者の資格を失います。
  1. 死亡したとき <死亡日の翌日>
  2. 保険料の納付期日までに保険料を納付しなかったとき
    <納付期日の翌日>
  3. 再就職したことにより強制または任意適用事業所の被保険者または船員保険の被保険者となったとき
    <被保険者となった日>
 任意継続被保険者になれば、原則として在職中と同じ給付を被扶養者とともに受けられますが、保険料は、事業主負担だった分も含めて、全額を自己負担することになります。

申請書の記載例


























Q. 従業員やその被扶養者が亡くなったときに、健康保険から給付はありますか?

A.  被保険者が死亡したときには、埋葬を行った家族に、個人の標準報酬月額の1か月分(最低10万円)が埋葬料として支給されます。家族以外の人が埋葬を行った場合でも埋葬料の範囲内で、埋葬にかかった実費が埋葬費として支給されます。
 また、被扶養者が死亡したときには、被保険者に家族埋葬料として10万円が支給されます。

手続きには以下のものが必要です。

  • 死亡に関する証明書類(死亡診断書等)または事業主の証明
  • 埋葬にかかった費用の領収書(原本)
    <埋葬費の場合のみ>
 提出期限は被保険者または被扶養者の死亡した翌日から2年以内です。提出者は埋葬を行った人、被扶養者が亡くなった場合は被保険者になります。

記載例


























Q. 従業員が出産のため仕事に就くことができないときは、社会保険からの給付はありますか?

A.  被保険者が出産のため仕事を休み、給与の支払を受けていないときは、事業所を管轄する社会保険事務所等に「出産手当金」の支給を請求することで出産手当が支給されます。
 出産手当金は、出産の日(出産予定日より遅れたときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産後56日までの期間について、仕事を休んだ日1日につき、原則として標準報酬日額(標準報酬月額÷30日(10円未満四捨五入))の2/3が支給されます。
なお、届出には請求期間にかかる賃金台帳と出勤簿の写しを添付することが必要です。提出期限は労務不能であった日ごとにその翌日から2年以内となります。

記載例


























Q. 従業員が出産したときは、健康保険から給付はありますか?

A.  事業所を管轄している社会保険事務所等に「出産育児一時金請求」を提出してください。請求書に医師、助産婦または市区町村長の証明を受けてから提出することで1児につき出産育児一時金(被扶養者が出産した場合は、家族出産育児一時金)として35万円(産科医療補償制度に加入する医療機関等にて出産したときは38万円)が支給されます。提出期限は出産した日の翌日から2年以内です。
 なお、出産育児一時金は、出産の事実にもとづいて支給されますので、妊娠4ヶ月以上(85日以後)の出産については、生産、死産、早産又は流産(人工中絶含む)を問わず出産育児一時金が支給されます。

記載例


 また、出産育児一時金が支給されるまでの間、出産費用の当座の支払を充てるため無利子の貸付制度もあります。この貸付限度額は出産育児一時金の8割相当額(24万円)となっており、返済は、出産育児一時金から生産されることになります。貸付の申込は「出産費貸付金貸付申込書」に必要事項を記入し、必要書類を添えて都道府県社会保険協会(支部)に提出します。

















Q. 2ヵ月後に出産を控えた女性社員が、産前休暇中に来月末付けの退職を申し出ました。退職すると出産に関する給付は受けられなくなるのですか?

A.  健康保険の給付は、原則として在職中である被保険者に対して行われます。しかし、退職などにより被保険者でなくなった(資格喪失)後においても一定の条件を満たしていれば給付を受けることができます。
 給付の種類は、出産育児一時金と出産手当金の2種類です。


*出産育児一時金の場合
資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上健康保険の被保険者であった人が、資格喪失日後6ヶ月以内に出産した場合は、被保険者として受けられる出産育児一時金が受給できます。
 なお、この給付については、資格喪失後に夫の被扶養配偶者になった場合には「家族出産育児一時金」として受給できます。
ただし、この場合は資格喪失後6ヶ月以内の出産であっても、本人の出産育児一時金と家族出産育児一時金の両方を請求(受給)することはできません。

*出産手当金の場合
資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上健康保険の被保険者であった人が、資格喪失の際に現に「出産手当金を受けている(=欠勤している状態)」か、「受ける前であっても出産日またはその予定日からさかのぼって原則42日(多胎妊娠の場合は98日)以内に資格喪失日の前日(退職日=欠勤している状態)がある」場合は資格喪失後でも出産手当金を受給できます。

 出産手当金は被保険者として受給できるはずであった期間を受給できますので、出産前に退職する場合でも、退職日が法廷の産前休暇期間内にあれば、産前+産後分を受給できます。
























Q. 従業員が病気や怪我のため仕事に就くことができないときは、健康保険から給付はありますか?

A.  被保険者が病気や怪我の療養のため、仕事を休み、給与の支払を受けていないときは、事業所を管轄している社会保険事務所等に「傷病手当金」の支給を請求することで傷病手当金が支給されます。
 傷病手当金は、仕事を休んだ1日につき原則として、標準報酬日額(標準報酬月額÷30日(10円未満四捨五入))の2/3が支給されます。傷病手当金の支給期間は支給を開始した日から1年6か月です。
 なお、書類提出の際に請求期間にかかる賃金台帳や出勤簿の写しを添付する必要があります。提出期限は、労務不能であった日ごとにその翌日から2年以内です。

    <注意点>
  • 最初の3日間は待機期間とみなされていますので、休み始めて4日目から支給されます。
  • 休んでいる期間中傷病手当金の額より少ない給料を受けている場合は、その差額が支給されます。
記載例








Q. 現在妊娠7ヶ月目の従業員が、1週間前に医師より切迫流産の恐れがあるとの診断を受け、自宅で安静にしています。
本人から傷病手当金の請求の希望がありましたが、このまま早期に出産になった場合、出産手当金は受給できますか?傷病手当金と両方の受給ができるのでしょうか?
A.  健康保険の支給対象となる「分娩」とは、
妊娠4ヶ月を超えるものをいい、出産、死産、流産、早産を問いません。
4ヶ月を超える妊娠とは、妊娠1ヶ月を28日とし、3ヶ月を超えて4ヶ月目に入った妊娠をいいます。したがって、28×3=84日を超えた日、つまり、妊娠85日以後であれば早産であっても、出産育児一時金や出産手当金の対象となります。
 出産手当金は、出産の日(出産が予定日後であるときは、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日間において労務につかなかった期間が対象となります。

 傷病手当金は、病気や怪我の治療やその療養のため連続して3日以上労務につこくとができない場合に、4日目から支給対象となります。支給期間は同一の疾病、負傷等につき、支給開始日から起算にして1年6ヶ月を限度とします。
妊娠悪阻、切迫流産などで医師から安静を指示された場合なども、労務につくことができませんので、傷病金の支給対象となります。


さて、今回のような傷病手当金と出産手当金の両方の受給ができるのかどうかですが、支給対象となる日が重なったときは、出産手当金が優先支給され、その間の傷病手当金は支給されません。つまり両方の受給はできません。
いずれの手当金も支給額は1日あたり「標準報酬日額の2/3」で、「報酬(給与)に変わる生活保障」としての目的があるので、重複して支給はありません。

切迫早産の場合、予定日42日前に出産することが考えられますが、傷病手当金を請求済み(支給済み)で、結果としてその請求(支給)期間が出産手当金の支給対象期間と重なることがあります。
この場合のように、、出産手当金の支給対象期間に傷病手当金が先に支給されてしまったときは、出産手当金の「内払い」とみなされ、その額だけ出産手当金が減額されます。




















Q. 1か月の医療費が高額になったときは、健康保険からの給付はありますか?

A.  同月内に1つの医療機関に支払った自己負担額が一定額を超えたとき、または、同一世帯で医療機関に支払った自己負担額を合算した金額が一定額を超えているときは、事業所を管轄している社会保険事務所等に「高額療養費支給申請書」を提出することで超えた分の医療費が払い戻されます。
 ただし、高額療養費は保険外(保険のきかない歯科材料、入院時の特別室料金など)や入院時食事療養にかかる標準負担額については対象となりません。提出期限は診療日の翌月1日から2年以内(ただし、診療費の自己負担額を診療月の翌月以降に支払ったときは支払った日の翌日から2年以内)となります。

高額療養費の計算方法

記載例

 また、高額療養費が支給されるまでの間、医療費の当座の支払に充てるため、無利子の貸付制度を利用することができます。貸付限度額は高額療養費支給見込額の8割相当額(100円未満切り捨て)となっており、返済は高額療養費から清算されることになります。
 貸付の申し込みは「高額療養費貸付金貸付申込書」に必要事項を記入し、医療機関等が発行した請求書等を添えて都道府県社会保険協会(支部)に提出します。


























Q. 旅行先で急病になり病院で診療を受けたのですが、被保険者証が手元になく、全額自費で支払いました。健康保険から給付はありますか?

A.  保険者がやむを得ないと認めた場合、療養費として払い戻されます。事業所を管轄している社会保険事務所等に「療養費支給申請書」を提出してください。申請書を提出すると、保険診療の料金を標準として計算した額から一部負担金相当額を差し引いた額が、療養費として払い戻されます。領収(診療)明細書が添付書類として必要となります。

記載例

 具体的には以下のような場合、療養費が支給されます。

(1)保険診療を受けるのが困難なとき

    <例えば>
  1. 事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかったとき
  2. 感染症予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき
  3. 療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
  4. 生血液の輸血を受けたとき
  5. 柔道整復師等から施術を受けたとき

(2)やむを得ない事情のため保険診療が受けられない医療機関で診察や手当を受けたとき
<例えば>
 旅行中、すぐに手当を受けなければならない急病や怪我となったが、近くに保険医療機関がなかったので、やむを得ず保険医療機関となっていない病院で自費診察を受けたときなどがこれにあたります。この場合、やむを得ない理由が認められなければ、療養費は支給されません。

























Q. 従業員が育児休業をとったときは、保険料の負担はどうなるのでしょうか?

A.  被保険者が育児・介護休業法に基づく育児休業制度を利用する場合(3歳未満の子を養育する場合)については、事業主と被保険者負担分の保険料が、事業主の申出より免除されます。育児休業取得者申出書を提出してください。

記載例










Q. 現在、子供が1歳2ヶ月で育児休業中の女性社員が2ヵ月後に第2子を出産することになりました。この場合、育児休業と産前休業はどちらが優先するのですか?保険料免除はどうなるのでしょうか?

A.  [育児・介護休業法」では、労働基準法に定める産前休業(原則6週間)および産後休業(原則8週間)が開始されると、育児休業期間は終了することになっています。
 育児休業期間中に次の子の出産予定がある場合の取り扱いについて、育児休業にかかる子を「A子」、次の出産予定の子を「B子」として、次のケースにあてはめて考えてみます。

1、B子の出産日以前の取り扱い
産前休業は本人から請求があった場合に認められていますので、A子にかかる育児休業期間中でも、 B子にかかる産前休業の請求がなされた場合は、産前休業が開始されます。
 したがって、A子にかかる育児休業期間は終了し、当然健康保険料、厚生年金保険料の免除も終了となります。さらに、雇用保険の育児休業給付金を受給している場合も受給は終了します。
 一方、B子にかかる産前休業の請求がない場合は、出産予定日以前6週間以内であっても、産前休業は開始されません。
したがって、A子にかかる育児休業期間は継続していますので、それにともなう健康保険料、厚生年金保険料の免除も継続されます。雇用保険育児休業給付金も引き続き受給できます。

2、B子の出産後の取り扱い 産後休業は本人からの請求の有無に関わらず、事業主は必ず与えなければなりません。
産後休業は出産日の翌日から開始されますので、 B子にかかる産前休業の請求をせず、それによりA子にかかる育児休業中でそれに伴う保険料免除や育児休業給付金を受給中でも、出産日をもってA子の育児休業期間は終了します。 そして、保険料免除も終了、育児休業給付金の受給も終了となります。

 なお、育児休業期間中に産前・産後休業を開始した場合は、事業主は当初の育児休業終了予定日の前日までに、育児休業を終了したことを保険者に届出る必要があります

上記のように、産前休業を請求すると必然的に育児休業は終了となり、健康保険料、厚生年金保険料の免除や雇用保険の育児休業給付金の受給のことを考慮すると、B子にかかる産前休業の請求は行わず、出産日までA子の育児休業期間とするのが有利といえます。






















Q. 従業員に賞与を支給したときは、どのような手続きが必要でしょうか?

A.  従業員に賞与を支給したときは、事業所を管轄している社会保険事務所等に「被保険者賞与支払届」を賞与支払日から5日以内に提出してください。この届出書は、保険料や年金の計算の基礎となる標準賞与額を決定する大切なものです。標準賞与額とは、賞与等の支払額の1000円未満を切り捨てた額のことをいいます。ただし、年間4回以上支払われる賞与等については、標準報酬月額の対象となるため、この届出を提出する必要はありません。

記載例