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歩合給制(実績給)の割増賃金計算
歩合給制とは「出来高払制」「請負給制」ともいい、「売上げに対して○%、契約成立1件に対して○円」といった一定の成果に対して定められた金額を支払う賃金制度のことです。歩合給制であっても所定労働時間を超えて労働した場合は、その部分について割増賃金が必要です。
歩合給制の場合は、歩合給の額を総労働時間で割って1時間あたりの賃金を計算します。
●完全歩合制の場合
- [例] 完全歩合給制の従業員が10時間働いて10,000円の歩合給を得た場合
- →法定労働時間を2時間超えていますので、歩合給のほかに2時間分の割増賃金を支払う必要があります。
10,000円÷10時間=1,000円・・・1時間あたりの賃金
(歩合給÷総労働時間)
1,000円×0.25=250円・・・・・1時間あたりの割増賃金
(1時間あたり賃金×割増率)
250円×2時間=500円・・・・・・割増賃金額
(1時間あたり割増賃金×時間外労働時間)
10,000円+500円=10,500円・・・支払賃金総額
(歩合給+割増賃金)
●歩合給と固定給(月額・時給など)が混在している場合
- [例] 所定労働時間162時間の月給制の従業員が法定時間外労働を18時間行い、その月の実績給(歩合給)が18,000円であった場合
- →月給(固定給)に対する18時間分の残業手当のほかに、歩合給についても別途割増賃金を支払う必要があります。
- 18,000円÷(162+18)=100円・・・1時間あたりの歩合給
(歩合給÷総労働時間)
100円×0.25=25円・・・1時間あたりの歩合給の割増賃金
25円×18時間=450円・・・歩合給の割増賃金額
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