高齢者の自己負担見直し

<高齢者の自己負担割合の改定>
70歳以上の患者が医療機関等の窓口で払う医療費等の負担割合は現在、原則一割で、現役並みの所得がある人に限って二割となっています。今回の改正により、今年10月から、70歳以上の現役並みの所得の人については、現役と同様に3割負担となります。
「現役並み所得」とは、課税所得金額が145万円となる人がいる世帯の所得を指します。年収ベースでみると、夫婦2人世帯で年収500万円以上、単身なら383万円以上が目安となります。
また、平成20年4月からは70歳以上75歳未満の高齢者(現役並みの所得者を除く)の自己負担割合も1割から2割に引上げられています。

<高齢者の自己負担限度額の改定>
 70歳以上の自己負担割合の引上げにあわせて、今年10月からは高額療養費の「自己負担限度額」も一部改定となります70歳以上の一般的な所得がある高齢者については、一ヶ月の自己負担限度額が従来の40,200円から44,400円(平成20年4月からは70歳以上75歳未満は62,100円)に引上げられ、現役並みの所得がある人については、「72,300円+定率分」から「80,100円+定率分」に引上げられ、外来分の限度額も40,200円から44,400円に改定されます。
 ただし、税制改正による公的年金等控除の見直しや老年者控除の廃止に伴い、新たに現役並み所得者に移行する70歳以上の高齢者については、平成20年まで自己負担額を「一般」区分に据え置きとなります。

高齢者(70歳以上)の医療費自己負担の改定 一覧表






健康保険料・厚生年金保険料の免除期間の延長
 社会保険の育児休業取得者申出書(保険料免除の申請)は、従来は子が1歳までだったが、改正により、最長で子が3歳になるまで延長されます。2005年4月1日以降に子が1歳になる場合は3歳まで延長の申出ができます。今後、休業期間が3歳未満の場合、途中で延長の申出ができます。






雇用保険育児休業給付の延長
 雇用保険の育児休業を申請するにあたっては、市町村長の認可保育所に入れない証明書・住民票の写し・医師の診断書等を添付することによって延長できます。
 育児休業ができる期間については、従来は養育する子が1歳に達するまでと定められていましたが、今回の改正により、子が1歳に達する日において育児休業をしていて1歳を超えても引き続き休業が必要と認められている場合には、1歳6か月まで育児休業ができるようになりました。

「休業が必要と認められる」のは、次のいずれかの場合です。

  1. 保育所に入所を希望しているが、入所できない場合
  2. 子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合